生き方

今月のおすすめ本『火の鳥 鳳凰編』


こんにちは、こがみのりです。

おすすめしたい本はたくさんあるので悩みましたが、今回は幼いころに読みふけった、『火の鳥 鳳凰編』を選びました。

あらすじ

舞台は奈良時代中期の日本。

醜い姿で何人も人を殺してきた我王がおうと、エリートの茜丸あかねまるという、正反対の二人が、仏師として彫刻作品を競い合う物語です。

殺人鬼の我王は素行の悪さから不幸な死に方をしそうですが、意外にもエリートの茜丸の方が悲惨な死に方をします。

我王に助けられたてんとう虫が、人間に変化して、妻として寄り添い支えるという話もあります。

我王はさんざん人を殺してきたのに、虫を一匹助けただけで救われるのです。

火の鳥 4・鳳凰編
火の鳥 4・鳳凰編

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手塚 治虫
朝日新聞出版
売り上げランキング: 30,983

オススメポイント

この作品は、

  • 生きるとは何か?
  • 死ぬとは何か?
  • 因果応報とは何か?


ということがよく描かれています。

「自分はこんなに頑張ってるのに、なぜ結果がついて来ないのか?」と不幸な自分を責めたり、他人を責めたりする人もいます。

エリートとして頑張ってきた茜丸はこのような心境でしょう。

ご縁は色々なところで繋がっています。

どこで原因と結果ががつながっているのか、というのは今世だけでは判断できないこともあります。

来世や前世が影響しているときもあります。

この作品を読めば、より因果に関する視野を広く持てるのではないかと思います。

悪人で成功した我王と、努力して技術を磨いた茜丸。

仏師として作品を作った二人の違いは、「道」「術」の違いだと感じます。

道は自分が進みたいと思って進む場合もあれば、自分にそのつもりはなくても、振り返ってみたら道になっていた、という場合もあります。

我王の場合は、後者。

結果的に道になっていたのです。

我王の道は決して綺麗なものではなく、むしろ人を騙し、殺すほどの悪人。

でもそこに『貫く何か』があったのです。

対して茜丸の場合は、仏師の道を強く志して地位や名誉を手にしました。

その結果、自分を見失い、道から外れ悲惨な死に方をします。

道を志す人のみが素晴らしい人生をおくるのではなく、その人の生き方そのものが道となる。

それこそが美しい人生といえます。

「これから成長していきたい」とか、「なんで自分ばかり苦しいんだろう」と思っている時に読んでみると、何かヒントを与えてくるかもしれません。

火の鳥 鳳凰編』は、セリフを全て覚えるくらい読み込みました。

教科書にしてもいいのではないか、と思うくらい読むたびに色々な発見のある作品です。

一度読んでみてはいかがでしょうか。

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