お茶

茶話 光と闇

「光と闇」


人生に迷ったら、「お茶」に聞いてみよう。

良縁を繋ぐお茶屋「茶肆ゆにわ」店長こがみのりが語る茶話。

お茶には、人が生まれ変わるための秘密が眠っています。

その深遠な世界に触れてみてください。

光と闇を愛でる


最近よくお客様に「自然光だけで過ごしてみてください」もしくは「間接照明やろうそくで過ごしてみるといいですよ」とお伝えしています。

朝なら、カーテンを開けたら陽の光が差し込みます。

自然光だけの空間を作るのです。

日差しは毎日、表情が違います。

夜なら、ろうそくの火がチラチラ揺れるのと同時に影が動いたり、その濃さをぼんやり眺めていると、自分の心の闇も見えてきます。

今の日本人は、「暗いから電気をつけよう」が当たり前になりすぎて、陰影の美しさを忘れてしまっている気がします。

四季折々の、光と闇の美しさを感じてこそ、日本人です。

目の前の空間と、人の心は繋がっています。

現代人は、明々(めいめい)と照らされた空間に慣れ過ぎていて、そうなると、心にも「ゆとり」がなくなってきます。

自分の心の闇が見えてくると「自分の悪いところを人には見られたくない」「こんな醜い心(闇)は、私ではない」「この闇から目をそむけたい」と、思ってしまいます。

だれでも性格の暗い部分はあって当然なのに、そんな自分を許せなくなり、責めてしまうのです。

しかし、昔の日本人は「自分の心の中の闇」に対して、もっと寛容でした。

欠点がある人間がダメだとか、過去に暗い記憶があるのがダメだとか、そのようには考えていませんでした。

闇があるから、光が映えることを知っていたのです。

不自然な明るさが心に与える影響


茶肆は以前より照明を落として営業しています。

それは、なるべく自然光に近くしたいから、そして薄暗い中でお茶をするからこそ見えてくる自分の心があるからです。

明るいところでお茶を飲んでも感覚的に釈然としない、しっくりこないのです。

光が強くなれば影が濃くなるように、明るいところにいると、自分の影の部分がはっきりと見えてきます。

不自然な明るさ、人工的に作られた光の下にいて、夜でも明るいのが当たり前になると、光でない部分=暗闇が怖くなります。

光・明るい部分(安心)と闇・暗い部分(不安)を明確に分けてしまいます。

そして自分の心の中に闇を見つけて、それを恐れて自分の中から追い出そうとして、自分自身の闇の部分と戦い始めるから落ち着きません。

闇はいくらでも出てくるので、戦いは永遠に終わりません。

思い切って、その闇を受け入れ、同居してしまった方が落ち着きます。

なぜなら、それが「あるがままの自分の姿」だからです。

矛盾の先にご縁がある


光と闇とは、「矛盾」と言いかえることもできます。

人は誰でも、矛盾を抱えて生きています。

自分の過去は変えようがないし、自分から切り離しようもありません。

なぜなら、その過去の先に今があるからです。

でも、多くの人が、過去に「こんな辛い目に遭っていることを、どうせ誰もわかってくれない」「しんどい思いをするのは、いつも自分ばっかり」と、自暴自棄になって、自分を責め続けてしまっています。

それを続けているうちは変われません。

では、どうしたらいいのでしょう。

その答えは、「人とのご縁」の中にあります。

矛盾の中で苦しみ、もがいた先には、必ず「人とのご縁」があります。

やすらぎの空気をまとい、自分を受け入れ、導いてくれる人たちに、必ず出会うことができます。

人生は、そういう風にできているものなのです。

そんなご縁に気づいたら、その人たちと積極的に関わり、遠慮なく助けてもらいましょう。

そして、その人たちと一緒に、どんどん前に進んでください。

しかし、「人とのご縁」が訪れた時に、決してやってはいけないことが一つあります。

それは、先ほどの「自分を責めること」です。

この罠にだけは、細心の注意が必要です。

なぜなら、本当に多くの人が、無意識のうちに自分を責めてしまうからです。

何かあったらすぐBADな気分になる、立ち止まる、引きこもる、人を避ける。

まるで、自分の大切なご神体に、毒を飲ませているようなものです。

これでは、訪れてくれたご縁に気がつくことすらできないかもしれません。

気がついたとしても、積極的にご縁を結びに行くことができないでしょう。

それでは、せっかく神様がお与えくださった「人とのご縁」が、台無しになってしまいます。

そんな時こそ、お茶に助けてもらいましょう。

きちんと整えられた空間、光も闇も感じられる空間に身を置いて、静かな心でお茶の時間を過ごしてみてください。

光は、闇があるから美しいのです。

闇は、光があるからやすらぎをもたらしてくれるのです。

光と闇、過去と未来、不安と希望、陰と陽。

相反するふたつの要素は、どちらか一つが正しいのではなくて、どちらも存在するからこそ、美しいのです。

そんな空間でお茶をいただけば、きっとあなたの人生を変える「人とのご縁」に、ちゃんと気がつくことができるようになりますよ。

太陽に手をかざそう


自然の光は、エネルギーそのものです。

8月の太陽はエネルギッシュ。

お茶を淹れる前に、太陽に手をかざしてエネルギーをいただいてみましょう。

まず右手。

右手は外に向かって気を放出する手です。

かざした手の平から、自分の内側にあるネガティブな思考や感情が出て、光で浄化されていくところをイメージしましょう。

次に左手。

左手は気を吸収する手です。

左手に明るく温かい光が入ってきて、腕を通って胸に届いていきます。

さらに、胸の光がパアッと広がり全身を包むところをイメージしましょう。

きっと、頭の中がすっきりして、心がポカポカしてくるはず。

その状態でお茶を淹れると、そのエネルギーがウツりますから、美味しくて元気の湧いてくるような一杯になりますよ。

今月のおすすめ 聖バジル紅茶


茶肆ゆにわでは、夏のお勧めとして、冷たい聖バジル紅茶(ホーリーバジルこうちゃ)をお勧めしています。

聖バジル紅茶は「不老不死の霊薬」ともいわれているホーリーバジルをふんだんに使用して作られています。

バジルの香りと、さっぱりとした風味が暑い季節にぴったりです。

水出しで作ることができるので、常飲用のお茶として冷蔵庫にあると嬉しいですね。

聖バジル紅茶は茶肆ゆにわの店頭でも、ゆにわマートのオンラインでもご購入いただけます。

ご自宅でもぜひお試しください。

冷たい聖バジル紅茶の淹れ方

①大きめの急須に聖バジル紅茶を4gいれる

②熱湯を250cc程度いれる

③1分待つ

④氷を多く入れたグラスに直接注ぐ

⑤完成

茶人 こがみのり


茶肆ゆにわの店長。

水、茶葉、茶器、空間を徹底的にこだわり、その人柄にも注目が集まる。

人生相談に乗る中で「人生観が変わった」との声が多く寄せられ、評判に。

こがみのり@茶肆ゆにわ

神様に愛される一杯の茶話し。

https://ameblo.jp/by30mino/

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