こんな人におすすめ!
- あれこれ頭で考えすぎてしまう人
- ネガティブ思考の人
あらすじ
中国唐代の禅僧で臨済宗開祖の臨済義玄の言行をまとめた語録です。
自らの外に仏を求める修行者にむかって「祖仏は今わしの面前で説法を聴いているお前こそがそれだ」と説く臨済。
彼の言行を弟子・慧然が記した「臨済録」は、「無事の人」に到達しようとする臨済のきびしい自己格闘の跡をまざまざと描いている古典です。
オススメポイント!
私は昔、「悟りって一体なんなんだろう?」と思うことがありました。
そんな時に手に取り、これまで何度も読み返してきたのがこの「臨済録」です。
これまでにおそらく30回以上は読んだと思います。
この本に書かれているひとつひとつの講話は、言葉をそのまま捉えるとほとんど意味がわからない話もあります。
でも、実はどの講話も臨済からのメッセージはひとつ。
一言で言うならば「とにかくアタマで生きるな。ハラで生きろ!」ということだと思うんです。
禅宗では不立文字と言って、文字・言葉の上には真実の仏法がないという考え方があります。
言葉は解釈によって、いかようにも変わってしまうからです。
そのため、禅宗では中心的経典を立てていません。
例えば法華経というのは、お釈迦様が語った例え話を集めたものです。
例え話というのは、具体的な場面があって伝える相手があって初めて成立するもの。
その例え話をいくら知識として記憶しても、今を生きる私たちの日常の生活の中で当てはめられなかったらなんの意味もないですよね。
だから大事なのは、そのたくさんの例え話の中から何を読み取るか。
書いてある言葉そのものではなく、その言葉が出てくるまでの背景です。
ついつい私たちは新しい知識や難しい言葉をたくさん集めて、頭で賢くなろうとしてしまいます。
でも臨済の考え方はそうではないのです。
大切なのは、言葉や知識など、自分の外側にあるものを手に入れることではなくて、ハラが据わった状態で、〝只今〟を生きること。
この本を何回も読んでいると、「大切なものなんて何もないし、同時に大切じゃないものなんて何もない」ということがハラに落ちてくると思います。
これが本当にハラに落ちさえすれば、不安なことがなくなります。
刺激的な幸せではないかもしれないけど、本当の幸せがわかるはずです。
悟りは、アタマで考えたってわかりません。
大事なのは、ハラで感じて生きること。
悟りとは、思考を超越したところにあるんですからね。