目標を達成できる人と、できない人には、ひとつ決定的な違いがある。
たいてい、目標を達成できない人、途中で挫折したり、諦めてしまう人は、自分にとっての〝ゴール〟が見えていないのだ。
ゴールが見えていない人は、「目的」と「手段」を取り違えてしまいがちになる。
よくあるケースは〝がんばること〟をゴールと勘違いしてしまうこと。
例えば、「東大合格」があなたの目標だったとしよう。
言い換えると、「受験当日までに、東京大学の合格最低点以上を得点できるようにすること」が目標、ということになる。
そんなの当たり前じゃないの? そう思われるかもしれない。
けれど、本当にこのことを理解できている受験生は、意外に少ない。
〝がんばること〟はゴールではない
合格最低点以上をとるために、求められる学力というのは、自ずと決まってくる。
すると、それに応じて必要な勉強量も決まる。
入試までに残された時間の中で、その勉強量をいかにこなすか。
その道筋をハッキリさせることが、合格戦略を立てるということ。
要は受験とは、いかにその戦略に従って勉強を進めることができるかという、シンプルなものなのだ。
ところが、この目線が抜けると「とにかく毎日◯時間はやらなくちゃ」、「まだまだ勉強が足りない気がする」と焦りがち。
そして、本来やるべきではない余計な勉強にまで手を伸ばして、時間をムダにしてしまう。
「まわりの受験生は勉強が進んでいるのに、自分はなかなか成績が伸びない…」と不安になるのも、ゴールが見えていない典型例。
確かに、周囲と自分を比較してしまうのは人の常だが、そんな人間的弱さに振り回されているようでは、大きな目標は達成できないだろう。
あなたのゴールは、「まわりにいる受験生に勝つこと」ではない。
合格最低点以上をとること、なのだ。
まわりは関係ない。あくまで、受験は自分との闘いなのだ。
〝がんばること〟はゴールではない。
「努力=良いこと、美しいこと」といった先入観があると、本質が見えなくなる。
いくらがんばっても、その努力の方向性がずれていたら、目標達成には結びつかないのだ。
だから、「ゴールから逆算する」ことが大事になる。
ゴールから逆転する発想
ゴールから逆算する考え方を身につけるために、「大学受験塾ミスターステップアップ」で活用しているのが『ゴールから発想する合格手帳』(学研)。
この手帳では、24時間から食事や入浴などに掛かる時間を引くことで、毎日の勉強に使える時間をロジカルに導き出すことができる。
大事なことは「何時間勉強したか」以上に「どれだけムダをなくしたか」、「一日の時間を、どれだけ目標達成のために使えたか」と、意識すること。
あとは、それを毎日続けていく情熱と、最後まであきらめない姿勢があれば、必ずゴールに辿り着ける。
もっともっと地獄に注意
次に勉強量について。入試本番までに、どの参考書をマスターして、どの問題を解けるようになればいいのか。
まずはそれを知ること。
次に、入試本番までの日数を序盤・中盤・終盤の3つの期間に分ける。
そうすれば、各期間でどれだけ学力を上げるべきかがわかり、そのために必要な勉強量がわかる。
この発想をさらに「期間→今月→今週→今日」と細分化していけば、「今日はどれだけ勉強すればいいのか」が自然と割り出せる。
つまり、入試まで毎日そのノルマをクリアしていけば、必要な学力はきちんと身につくということ。
必要な勉強量を把握しないまま、漠然と勉強を続けていると、「もっともっと勉強しないと!」という気持ちが出てきてしまう。そのうち、「どれだけ勉強すればいいんだ……」と、まるで底なし沼に足を踏み入れたような気分になってしまう。
この「もっと地獄」にはまると、これまで勉強したことの維持も疎かになりがち。
「次の教材がまだある…、次の問題に進まないと…」と、先を見ているばかりで維持を疎かにすると、どんどん忘れてしまう。
そうならない為にも、最初から「維持+α」で勉強を進める癖を付けておくことが大事になる。「もっと地獄」に陥らないためにも、ゴールから発想することが欠かせないのだ。
「もっと」と思っているうちは、心は満たされない。
すると、気持ちが不安定になり、今、目の前の勉強に全力を注げなくなってしまう。
熱く勉強をがんばる心と、クールに戦略を立てる頭。
両方あって初めて受験勉強は成功するのだ。
「もっと」を求める落とし穴
戦略を立てて「今日のノルマ」が割り出せれば、あとは自分が毎日それだけの勉強をやるか、やらないか。
毎日続けて学力の貯金を作れば作るほど、合格の確率は上がる。
確かに受験は単純ではなく、理想の勉強量を終えられなかったけれど、当日知っている問題が出て奇跡的に合格できた、といった事もある。だから、ノルマをこなせなかったら、絶対に合格できない、というわけではない。
けれど、はじめから奇跡に期待して、手綱をゆるめているようでは、奇跡は起こせない。
調子が悪かろうが、苦手な問題が出ようが、それでも絶対に合格点をとれるくらい、圧倒的な学力をつけておくことに越したことはない。そこへ向かう揺るぎない信念こそが、奇跡を呼び込むのだ。
合格する人の考え方とは?
多くの人は「過去」あるいは「今」に臨場感があります。分かりやすいのは浪人生。つまり、前回の入試で志望校に受かっていない人です。だから「本当に受かるのかな」とか「今回はいけるだろうか」という考えに臨場感があります。
けれども合格する人は「合格している自分の姿」に臨場感がある。
合格するのは当たり前なのだから、入試で緊張することもない。
そうやって「志望校の大学に通っている自分」をイメージする。
何の苦も無くこれができれば、セルフイメージは「合格した自分」に向きます。
けど過去や今に臨場感を持っていてはセルフイメージは進む方向が分からなくなる。
入試はよく航海に例えられますが、ゴールが見えているから「あっちに行こう」となるんです。
イメージするには赤本でもパンフレットでもいい。合格して胴上げされている姿とか、部活に通っている姿などがイメージできれば受かります。
「合格の先」に持つべきもの
大学受験塾ミスターステップアップでは、「10年後のビジョンを持て」と塾生を指導する。
将来、どんな仕事に就きたいとか、何かを達成したいという具体的な夢がなくても構わない。
「こういう大人になっていたい」、「こんな生き方がしたい」といった抽象的な夢でもいい。
遠くにゴールを設定して、大学合格も一つの〝通過点〟として捉える。もしくは「こういう大人にはなりたくない」とイメージすることはできると思います。
「やり方」ではなく「あり方」ですね。
10年後の自分にビジョンと臨場感を持つ事ができれば、1年後の合格している自分に臨場感を持つのは余裕です。
偏差値が70あれば偏差値50の問題を解くのは余裕なのと一緒。
限界突破コースでは
- 「世のため人のために貢献できる自分になりたい」
- 「そういう自分に成長したい」
の2大原則として掲げています。
方法や職業は一旦横に置いておいて「どのような自分でありたいか」を考え、そこから逆算して「今日自分はどうあるべきか」と考えて欲しいです。
「今日一日精一杯やる」でも良いですが、それだと方向性が決まらない。
「10年後のビジョン」を持った上で「今日をどう生きるか」と考えて貰うといいです。
1年後・10年後の自分に自然と意識が向き、潜在意識が理想の自分に向かって進もうとする。
その流れに乗っかって毎日を過ごして貰えれば「ゴールから発想する」という戦略と、「自身のあり方」の両方ができると思っています。