当記事を担当します、筆者の吉田です。
私は現在、現役の大学生(女子)で、もともと大学受験塾ミスターステップアップに通っていたので高校生の頃から、ゆにわのご飯にはお世話になっていました。
大学合格後の今でもご飯を食べに通いますし、卒塾後もゆにわと関わりを持って、お手伝いもさせていただいています。
今回は、ピッキングについてのお話になりますが、「ピッキング」と聞いても、あまりピンとこないという方もいるかもしれません。
ピッキングというのは、ゆにわが大切にしているこだわりの一つであり、
- ゆにわのご飯が、どこでも食べられそうなものなのに、他のどのお店でも食べられない味を提供できている大きな理由
でもあります。
今回の記事では、そのピッキングについてのお話や、実際にピッキングを体験した方からの貴重なご感想も紹介していきます。
美味しさの秘密を実体験!
ではまず、ピッキングに関する基本的なお話になりますが、お米ピッキングとは、ゆにわの「美味しいごはん」を根底から支える大切な儀式です。
白米なら精米したてを、玄米ならそのままを、白いバットの上に広げ、一粒一粒、見ていきながら、割れたり、欠けたり、黒ずんでいるお米、籾殻(もみがら)、異物、元気のなさそうなお米を、手で取り除いていく作業のこと。
塾生時代から、「ゆにわのごはんは食べるとすごい元気になるなぁ……」「他の料理店とはなんか違うなぁ……」とは思っていたのですが、美味しさの秘密であるピッキングが、どのようになされているのか、そしてスタッフの皆さんが、どのような思いで取り組んでいるのかは、うかがい知ることができませんでした。
そんな時、ゆにわのちこ店長から「大学生もピッキングに参加してみない?」とお誘いをいただき、ピッキングがなぜ始まったのか、ちこ店長を始めスタッフの皆さんが、どのようにピッキングを守り続けてきたのか、などのお話をしていただきました。
塾生やスタッフが一日単位で増えていくなか、「社員食堂ゆにわ」や「御食事ゆにわ」、「べじらーめんゆにわ」で食べるお米を全てピッキングする。
それがどんなに凄いことか。
いったいどれほどの覚悟で続けてきたのか。
ピッキングの裏側を学び、今まで言葉だけで理解していたものが、数々のドラマとなって浮かび上がってくるようでした。
その数日後、お米番長こと河合さんにピッキングをするにあたっての心構えを教えていただきました。
曰く、「お米一粒一粒が神様である」ということ。
その言葉通り、お米を置いておくための専用の部屋は、まるで神社の境内であるかのような清浄な空気に包まれていました。
お米部屋に入る前には、お手水のように心を清めるつもりで手を洗うなど、神社参拝と同じような作法があったり、部屋に滞在できる時間までも決まっていたり……
正直、ここまでするか……という、いい意味で驚きの連続でした。
同時に、これからピッキングに参加する私たちの良い心の準備になりました。
実際にピッキングに参加してみると、さらに驚きの連続でした。
まず、ピッキングを始める前に全員で祝詞(のりと)を唱えることです。
祝詞とは、日本の神道において神事を執り行う前に奏上される特別な言葉のこと。
それによって日常の様々な雑事から意識を切り離し、ピッキングを儀式の段階まで高める効果が生まれます。
全員で祝詞を唱えたときの、何とも言えない胸の暖かさ。
ただ一心に、目の前のお米にエネルギーを向けるということが、どれほどひたむきであったのか
全員が本気でなにか一つのことに向かう時の、エネルギーの高さなど……。
挙げたらキリがないくらい、胸にじんとくることがたくさんありました。
お米ピッキングのルール
今まとめたように、お米ピッキングは、ただ悪いお米を除去するだけの単純作業ではなく、特にゆにわのお米ピッキングには、特有のルールがあります。
・・・
それは、
食べる人の幸せを祈りながら。
お米に宿る神様の光をお迎えするように。
自分自身の心も清めるつもりで。
おしゃべりせず、無心になって。
丁寧に、丁寧に。速く、速く。
心も、身体も、元気な状態で。
日常の雑気を持ち込まず。
神聖な儀式として行うこと。
・・・
とは言っても、これだけだとなかなかピンとこないと思いますので、実際にピッキングをどのように行なっているのか、ここからQ&A形式で解説させていただきます。
お米ピッキングQ&A
Q. 良いお米とそうでないお米の違いって?
A. 欠けたり変色した元気のないお米が混じっていると、わずかながら雑味が出てしまいます。
(左がOKのお米で、右がNGのお米)
ピッキングはそれを取り除く作業なのですが、真の目的は、お米1粒1粒に目をかけて「君たちは “光”なんだよ」ということを思い出してもらうこと。
取り除いたお米は、畑や庭に撒いて自然に還してあげます。
Q. 何人体制でいつしているの?
A. 毎週水曜日と木曜日の19時半から準備を始め、20時からピッキングを行っています。
立場や部署間などの垣根を越えて、25~30名が一か所に集まり“気”を集めることで、美味しくて、キレイで、エネルギーの高いお米に品上がります。
Q. どういう工程があるの?
A. お米部屋からピッキングするお米、玄米、珈琲豆を運び出すチームが動いている間に、その他のメンバーでテーブルセッティングを行います。
準備が整ったら、全員で天津祝詞を唱えて心を落ち着かせ、清潔な装いでピッキング開始。
終了後は全員で片づけをし、気を集めたお米をお米部屋に運びます。
かなり省いてご紹介していますが、ゆにわで出されているご飯は、これらの作業があって初めてご提供できるものなんですね。
実際にピッキングを体験した体験者の声
ここで実際に、ピッキングを体験した方の体験談も聞いてみましょう。
今回は、初めてピッキング体験をされた、お2方の感想をいただきました。
左が大西さん、右がマーニーさん(仮名)。
では、このお2方からいただいた感想もご紹介していきましょう。
大西さん「ピッキングを通して得たもの」
自分が感じたのは、やっぱりこのピッキングが相当の努力の上に成り立っていて、必死に、そして大切に守られてきたんだということです。
始めの祝詞を唱えて、みんなの気がぐっと集まったような感覚になりました。
全然違う部署の人がひとつのことを、黙々と同じ場所でやり続けることは、普通なかなかないことなのにむしろそれが当たり前というか、ずーっと守り続けてきたからこそ大切にしてきたからこそ、そこに違和感がなかったのだろうと思いました。
ピッキング後のミーティングで、あるスタッフの方が言っていた、
「お米ピッキングはどこの店にもここまでやっているところなんてないし、むしろやらなくていいことに入るかもしれない。だからこそピッキングを守るには意識や気をかけ続けていかないといけない」
という言葉が印象的でした。
自分たちがその繊細なお米ピッキングを守っていこうという気持ちが、一人一人のお米を見ている姿勢から生まれてきました。
河合さんはじめ、皆さんのお米に対する情熱が、言葉と纏っている空気から伝わってきました!
本当にありがとうございました!
マーニーさん「お米が愛おしく思えた」
ピッキング中の皆さんの姿を見て、あんなすごい空気感で一粒一粒丁寧にピッキングしていることに感動しました。
「こんな一粒一粒みてもらえてお米も嬉しいだろうなぁ」って、「それを食べていたんだから、そりゃ私たちも食べるだけで満たされて元気になるわなぁ」って、改めて感じました。
いざ自分がお米専用の場所で、練習でピッキングをしてみると、神聖な場ということもあってか緊張して思うように進みませんでした。
しかし本番、スタッフの皆さんと祝詞を唱えたときは、なんとなく1つになるというか、気持ちがお米に向いているように感じました。
実際にピッキングをしてみると、練習ではわからなかったお米の個性が見えてきて無心でピッキングをすることができました。
初めてのピッキングが終わったあと、とても清々しく心地よかったです。
また、今まで以上にお米が可愛くて愛おしくなりました!
美味しいごはんの裏側にあるピッキングを経験して、お米を食べるのがより一層楽しみになりました!
まとめ
2人の感想に一貫しているのは、皆さんのお米に対する情熱、ピッキングを守り続けていた歴史が場の空気を通して伝わってきたことでした。
普通ここまでしないだろうというくらい、日々お客様と社員、塾生の笑顔のために向上していこうとするスタッフのみなさんの姿勢に、私たち大学生は大きな感銘を受けました。
そしてその意志を、私たちも受け継いでいけることがとても嬉しく、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
これからも、今回ピッキングで学んだことを日々胸に抱き、ゆにわ大学の活動をしていきたいと思います!
それでは今後も応援よろしくお願いします!