仕事・勉強

AI時代を生き抜くための大人の勉強法

今ほど、勉強する大切さを問われる時代はありません。

学生はもちろんのこと、社会で働く大人こそ勉強が必要です。

そこで、これから何かを学びたいと思っている方々へ向けて、大人の勉強法をテーマにゆにわ流が大切にしていることをお話します。

「人工知能(AI)」の時代がやってくる!

近い将来、人工知能(AI)が完全に人間の知能を追い越し、それに伴ってさまざまな問題が起こると予測されています。

その一つが今、世の中にある仕事の大半が人工知能にかわり、仕事がなくなってしまうということ。すでに、その兆候は世界のあちこちで表れ始めています。

たとえばアメリカでは、グーグルが無人自動車の実験に成功しました。

交差点でも高速道路でも、問題を起こすことなくアメリカ大陸を横断できたそうです。

この技術がいずれ日本にも導入されることを想像すれば、日本のタクシーやトラックの運転手のニーズは激減するでしょう。

さらに、オフィスワークも人工知能に移行しつつあります。

いわゆる単純作業的な事務仕事は、人工知能の得意分野。人工知能なら事務作業を一定のクオリティで何時間でも続けることができ、人件費も安く済みます。

すでに4年前に中国で100万人の労働者を雇用してスマホを作っている会社の経営者が、労働争議を避けるために100万台のロボットの導入を決めた、というニュースがありました。

またアメリカでは、株取引のほとんどは人工知能が行っており、新聞記事作成、裁判の証拠書類の読み込み、学校の試験問題の採点なども、ほぼ実用化の段階に入っているとのこと。

日本でもコールセンターに人工知能を導入する企業が出てきています。

人工知能とそれにコントロールされるロボット技術の研究が今、猛烈な勢いで進められており、その範囲は多岐にわたります。

ロボットが危険な作業を請け負ってくれる、という見方をすれば嬉しいことですが、その分、人間の仕事は減っていきます。

んな時代がやってきた時、あなたはそれまでと同じ仕事を続けていけるでしょうか?

今は時代の変わり目です。人工知能にできること、できないことを知り、人間らしい想像力や創造力を発揮する、そうして、人工知能の時代に社会に必要とされる頭の使い方を鍛えていくことが大切です。

志は大きく、高く、世界を広げていこう

「人工知能の時代が来ても、私には得意分野があるから大丈夫」「専門を極めたから、AIに仕事をとられることなんてないわ」と思っている方もたくさんおられるでしょう。

けれど、世の中に強い影響を与えていく人は、たとえ専門を極めても、たとえ地位やお金、名誉などを得たとしても、学ぶことも挑戦することもやめません。

何か特技を持ちたい、専門を極めたい、と思って勉強を始める人は多いですが、何か一つを極めたとたん、勉強をやめてしまう人は意外に多いのです。

そのような人はその後どうなると思いますか? 

新しい分野に挑戦しなくなります。

「それ、私の専門じゃないから」を言い訳に、新しいことを学ぼうとしなくなっていくのです。

もし、「専門知識を身に付ければ安心」とか「苦手なことはやりたくない」といった動機で勉強内容を選んでしまうと、自分を狭い枠に限定することになります。

勉強自体は良いことですが、その目的が私的な欲求に偏ると、「エゴ」が増長していきます。

「エゴ」が大きくなるほど世界は狭まり、いくら学んでも自己満足で終わってしまうのです。

すると、仕事のステージが上がることも、人生が飛躍することもありません。

自分の好き嫌いや得手不得手にとらわれず、誰かの役に立つことなら何でも学んでいく!

そんな姿勢でいてください。すると自分の世界も広がり、心の器も大きくなります。

それが、どんな時代でも活躍していける人の特徴です。

自分の言葉で「大切なこと」を語っていこう

仕事で必要な勉強は積極的にしているけど、それ以外のことはほとんど勉強していない、忙しくてとても手が回らない、という人は多いようです。

ですが、健康に生きるにも、真実を見極めるにも、豊かな人生をつくっていくにも、そのための学びがどうしても必要です。

正しく学ぶからこそ感覚が磨かれ、「人生の大切なもの」に気づいていけるからです。

ですが現代は、人生において「大切なもの」を感じ、伝え、表現できる人が激減しています。

たとえば、人が生きていくうえで「食」がどれほど大切かを語れる人はどれぐらいいるでしょう?

日本の食事作法やその意味を説明することはできますか?

「なぜ勉強は必要なの?」「なぜ戦争が起こるの?」「人を愛するってどういうこと?」と子どもに聞かれたら、どう説明しますか?

人生で最も感動したことを伝えるなら、どんな言葉で表現するでしょうか? 

このような人生の本質の部分を自分の言葉で表現することは大切です。

言葉で説明しにくい事柄こそ、自分の言葉で語ることに挑戦をしてみてください。

その試行錯誤のプロセスの中で、さらに大きな学びを得ることができるでしょう。

問いを持つことからスタート!

さぁ、いよいよ勉強スタート。あなたは何から始めますか?

勉強していくうえで大切なことは、その分野の知識や情報を集めることではありません。

もちろん、ある程度は必要ですが、知識を増やすことだけに集中すると、いずれ頭でっかちになって本質を見失ってしまいます。

知識に頼りすぎると対象をきちんと見ることができなくなり、コミュニケーションに心が通わなくなってしまうのです。

たとえば、占いを学んだとします。占いで人を判断する知識を得たからと言って、そのフィルターを通してしか相手を見なくなると、心のコミュニケーションがおろそかになってしまいます。

そんなことになったら本末転倒。役立つはずの知識も、うまく活かせません。

学びとは、学んだことを目の前の人に与え、そのフィードバックを受け取っていく中で深まっていくのです。

一方、人工知能は、このような人間の心について意識していません。

知識や情報量では人間を上回っていますが、人間が設定したルールの中でしか高いパフォーマンスは発揮できないのです。

本物の学びは、「目の前の人を大事にしたい、どうすればいいだろう?」「この素晴らしい体験を伝えたい、どう表現すればいいだろう?」といった心の問いから始まるもの。

自分への問いの質は、学びを受信するアンテナの質と同じです。

つまり、問いの質が高まれば、学びの質も高くなるのです。これこそ人工知能がどれほど発達しても人間だけが追求できる、人間らしい勉強法です。

まずは、心の問いを発することから始めましょう。

一冊の本、一人の先生から最大限に吸収する3つの勉強法

大人が仕事をしながら勉強する、となると時間との戦いです。

短時間でもクオリティの高い学びができればいいのにと、思ったことのある方も多いでしょう。

そこで、北極老人から教わった「学びの質が一気に高まる勉強法」をご紹介しましょう。

1:クリティカル・リーディング

何かを新しく学ぶ時、読書を通して学んでいく方は多いと思います。

そこで読書の際、その本の内容以上に学べる読み方があります。

それが、クリティカル・リーディング。

本に書かれている知識や理論を単に受け取って終わり、といった受け身の姿勢で読むのではなく、筆者と議論するような姿勢で読むのです。

たとえば、読みながら筆者の論理に「そこがオカシイ」「その考え方は偏っている」「もっと高い視点がある」とツッコんでいくのです。

筆者と対等に同じテーマと向き合うことで、自分ならこう考える、とプロレベルの思考ができます。

深く読み込めるだけでなく、論理的に考える力が高まります。

2:相反する主張の書籍を両方読む

本を選ぶ際、どうしても自分と相性のいい著者や好きなジャンル、納得できる理論ばかりを読みたくなるものです。

ですが、そういった読書を続けていては、自分の主張を正当化するだけに終始し、新しい学びや発見がありません。

すると、いくら本を読んでも器が大きくなることはなく、むしろ頑固になっていくだけです。

そのような偏った勉強にならないように北極老人が勧めていたのは、相反する主張の本をどちらも読むことでした。

たとえば、「菜食主義が長寿になる」と主張する本を読んだら、次は「肉食主義が長生きの秘訣」と主張する本を読むのです。

そうすることで、両者の意見がわかったら、その相反する意見を統合する第3の視点を見つけようとしてください。

それこそが、本当の生きた知恵になるのです。

3:学んだことはすぐ実践し、感覚をインストールする

学んだことを血肉に変える最短ルートと言えば、即、実践することです。

頭で考えた理屈で納得するのではなく、身体を通して本質をつかむのです。

かつて北極老人が浪人生だった頃、あるカリスマ講師の授業を聴きに東京まで出かけていきました。

その後、自宅へ帰って何をしたかと言うと、誰もいない部屋で自分が講師になって同じ授業を実践したのです。

講師の役を演じることで、講師がなぜそのような説明をしたか、なぜその問いかけをしたか、なぜその例題を使ったのかが身体の感覚を通してつかめたそうです。

これが感覚のインストール。

何かを学んだら、即、それができる人になりきって実践し、できる感覚をうつしていきましょう。

20年後、ロボットを使う側の人間になるために

「近い将来、人工知能(AI)が人間の知恵を超えていくのはもう避けられない」と予測する研究者は数多くいます。

彼らは「情報量も、進化のスピードも、人間に勝ち目はない」と言うのです。

このまま突き進むと、いずれ人工知能(AI)と人間の立場が逆転し、人間が人工知能(AI)に使われるようになるのも時間の問題、ということになります。

このような問題に対し、私たちに何ができるかと言えば、やはり勉強です。コンピュータに使われたくないなら、コンピュータを超える人間を目指すしかありません。

コンピュータにはできない、人間ならではの能力を発揮するための勉強をしていくのです。

その勉強法をまとめると、

  1. 目の前の人のために何ができるか、という心の問いから始めること
  2. 頭の中に知識や情報をためこむだけでなく、実践を通して成長していくこと
  3. 得意分野に偏らず、相反する分野、未知の分野にも興味を持つこと

この3つになります。

この3つを実践することで、人工知能を超える「頭の使い方」と人間らしい心から生まれる「本物の学び」が得られるでしょう。

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