映画製作のはじまり
2017年のある日、映画制作の提案をいただいたのです。
当初はまったく想定していなかったことでした。
けれど、もし最高レベルの機材や映像、音楽を揃え、わたしたちの思いに共感した撮影スタッフに協力してもらい、食の大切さを映像で伝えることができたら…、それを、日本中、あるいは世界中で見てもらえたら…、と想像が膨らんだのです。
世界中の人が、食卓を囲んで美味しいごはんを食べて、心が光で満たされ、そしてその光を周りの人たちへ届けたくなる、そんな人たちがたくさん増えたら、きっと、失われてしまった「つながり」をもう一度取り戻せるのではないか? と思いました。
そこで、「映画を作ろう!」と決めたのです。
食卓から世界を変えよう
毎日の食卓は、命を充電する場所です。
映画を見た方々が、美味しくて愛情いっぱいの、命が光り輝くようなごはんを作れるようになって、そのご家族までどんどん明るく元気になっていけば、どんなに素晴らしいでしょう。
わたしたちの拠点である大阪府枚方市楠葉という町には、大学受験塾に通う受験生、スタッフ、「毎日ゆにわのごはんを食べたい」と引っ越してきた経営者や子連れの家族から一般のお客様まで、みんながごはんを食べられる「社員食堂ゆにわ」があります。
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そこは、「他人」という枠を超えて、みなが「一つになれる場所」なのです。
みんなで同じ食卓を囲って、光いっぱいの愛情ごはんを一緒に食べて元気を補充し、またそれぞれの持ち場へと戻っていきます。
お父さんは仕事へ、お母さんは子どもと一緒に公園へ、塾生はまた塾に戻って机に向かいます。美味しいごはんを食べ、命の光がチャージされると、不思議なことに、仕事が普段の何倍もはかどったり、思いもしないようなアイデアが降ってきたり、お母さんも子どもと元気いっぱい遊べたり、細かい悩みごとや不安がどうでもよくなったり、何時間も集中して勉強できるようになったり、ふと、しばらくしていなかった掃除をしたくなったり、目の前の人を愛おしく感じたり、自然と人の幸せを願えるようになったり。
そんなことがしょっちゅう起こります。
これは、一部の人にしかできないような特別で難しいことをしているわけでは決してなくて、誰でも、どこにいても実践できる「食卓」を一番大事にしているだけ。
「食卓」が光に満ちて、心と心がつながっていけば、「生き方」そのものが変わっていくのです。
そのことを、映画を通じて一人でも多くの人に伝え、お一人お一人が今いる場所で体現してほしいと強く願っています。
命の輝きを取り戻すために
現代の社会では、昔のように、家族がそろってごはんを食べる機会がめっきり減ってしまいました。
それだけではありません。
出来合いの惣菜や冷凍食品が並んだり、カロリーなどの数字だけで食材を選ぶような偏った食事だったり、本当は一番大切な思いや感謝、温もりまで無視された食べ物が当たり前になってしまっています。
ごはんの中の光を感じること、つながりの輪の中で、感謝してごはんをいただくこと、みんなで食卓を囲み、愛情と温もりいっぱいのごはんを食べて、命の源を充電すること。
以前はあったそんな当たり前の感覚が無くなってしまっていることはとても残念ですし、わたしたちはそこに強い危機感を感じています。
日本人が守ってきたものを
もともと日本人は、お米を神様からいただいた光だと思って食べてきました。
その食への向き合い方が、日本人の高い精神性を長い年月をかけて形作ってきたのです。
もちろん、昔とまったく同じような食卓や食べ方を復活させることは難しいのは事実です。
時代は刻々と変化し、流れていくからです。
でも、だからこそ、私たちは「映画」という新しい形で、現代のライフスタイルに合わせながら、日本中のすべての家庭の食卓で命の輝きを復活させたいのです。
この映画には、本当にたくさんの方々の思いが詰まっています。
多くの人のご協力いただきながら、時には映画制作を断念しかねないほどの壁にぶつかりながらも、その度に力を合わせてで乗り越え、ようやく完成に至ることができました。
支え、応援してくださった皆様、本当に、本当にありがとうございます。いよいよここからがスタートです。
この映画を通じて、一人一人の思いがつながり合いながら、誰でも、どこにいても実践できる「食」をきっかけに、人生が激変するような感動体験を味わっていただけたら、これほど嬉しいことはありません。
映画「美味しいごはん」製作委員会一同