子育て・教育

子育て論 子供のためになること、ならないことを知ろう

現在、初めての子育てに奮闘中の牛窪ご夫妻。

一人娘のさあやちゃんのためなら、どんなことでもしてあげいたいけど、何を与えてどう接することが子どもの成長にとって良いのかは気になるところです。

そこで、大学受験塾ミスターステップアップのカリスマ講師、村田明彦先生から、『将来に影響する幼少期の子どもとの接し方』についてお話を伺いました。

自分で立ち上がる力を引き出してあげよう

―将来のためにも、子どもに良い環境を用意してあげたいのですが、何に気をつければいいですか?

子どもは成長とともに好奇心の範囲は広がっていきます。興味に応じて用意してあげるのは良いことですが、大事なのはその後の“見守り方”です。

良い環境を与えた後、子どもがどう興味を示すかを、ありのまま受けとめてあげてほしいんです。

親ってどうしても期待しすぎてしまうところがあります。

自分の望んだように反応してほしいって思いすぎるところがあるんですね。

そうじゃなくて、子どものペースを受け入れてあげてほしいんです。

一番良くないのは、親が“先回り”してしまうことです。

いろいろやってあげたくて、待てないんでしょうね。

子どもの欲求や衝動の反応が出るのを待てず、先回りして「こうしなさい」、「あれを選びなさい」と決めてしまう。

転ばないよう先手を打っているのですが、それは子どものためにはなりません。

子どもは転んだらいいんです。

親は、転んだ時にケガをしない転び方や転んだ後の立ち直り方を教えたり、やって見せたり、フォローをがんばったらいいのです。

こういう両親の接し方って、後々に影響が出てきます。

何かを与えて、その子が感じたままを受け止めてあげなかったら、その子はだんだん自発的な反応をしなくなっていきます。

最近、自発性が低い若者が多いのですが、それは元々の性格なんかではなく、両親の接し方の影響を受けていると言えますね。

近年の塾生でも、今まで親に何でもやってもらっていたから、一人になるとどうしたらいいかわからない、そんな様子の子も多いです。

自立へのチャレンジですので、私たちもサポートに徹しています。

 

―「習い事」「スポーツ」をさせてあげたいし、いずれ「塾」も必要ですよね?

習い事をさせてあげたい時も同じスタンスでいてください。

子どもが興味を感じるかどうかは、やってみないとわかりません。

スポーツ、英会話、ピアノ、学習塾と言った習い事には親の価値観や期待がありますよね。

ですが、子どもって好奇心旺盛ですから、もっと他のことに興味がわいているかもしれません。

どんな時に楽しそうにしているか、よく見てあげてほしいんですね。

塾生でもよくあるのが、英語が苦手、勉強が嫌い、と言う子ほど、無理に英会話や塾に通わされた経験があります。

子どもって、親から押し付けられると反発したくなるものです。

あえて、親が勧める進路と真逆を選ぶ子もいるぐらいです。

そういう意味でも、親が全てを決めつけてしまわず、本人の希望を聞いてあげてください。

そんなことしたら、いつまでも遊んでばかりで勉強しなくなるのでは…と心配なら、ご両親が楽しく勉強する姿をお子さんに見せてあげてください。

子どもは親の真似をするものです。本人が勉強の必要性を感じると、自発的に勉強したい、塾に行きたい、と言うようになりますから。

見守りつつ、先回りせず、本人の興味を優先してあげるといいですよ。

3歳まではスキンシップで安心感を与えてあげて

―幼少期の子どもとの接し方で意識すべきことは何ですか?

幼少期に意識してほしいことは“スキンシップ”です。

その子の将来のコミュニケーション力は、0歳から3歳までのスキンシップの絶対量で決まると言われています。

3歳までの間にどれだけ見てもらえたか、抱かれる安心を感じていたか、といった皮膚感覚が大事なのです。

それがないと、その子は愛された実感が乏しくなり、自己肯定できない大人になってしまいます。

ちゃんと実践しようとすると、どうしてもお母さんにばかり負担がかかってしまいます。

お母さん一人でそこを担うのではなく、お父さんはもちろん、親戚や近所の人などにも抱っこしてもらったり、日常的に複数の人に気にかけてもらえるとベストですね。

―では、一人遊びをしたそうなときはどう接するべきですか?

様子を見てその都度、接し方を変えるのがいいですね。甘えたそうにしているときは、甘えさせてあげるのが良いですし、一人で遊びたそうなときは、好きなようにやらせてあげてください。

自発的になっているのを止めてばかりでは、大人になってから積極的に行動できなくなってしまいます。

自由を与えず、あれもダメ、これもダメ、と先回りして制限していては、消極的な性格になってしまいます。

叱るときは感情をぶつけず包み込みように

―タイミングが大事なのですね。では、良い叱り方ってありますか?

よくある悪い例は、子どもが期待通りに反応してくれない時に、不安や苛立ちから感情をぶつけるように叱ってしてしまうことです。

これをやると、子どもにその感情が残って萎縮するクセがついてしまいます。

そのまま学校や塾に通うようになると、先生との関係でも自分の意見を言えないとか、表面的な会話になるとか、イイ子を演じるようになるんです。

人の顔色ばかり伺っている子は、そういう育てられ方をしていますね。

そうならないためには両親との関わりから、家は安心だ、自分の安全基地だ、と感じさせてあげることです。

そのように育った子は、外で怒られたり失敗したりしても萎縮することはありませんし、極端な自己否定も起きません。

まだ会話ができない年齢でも、親の感情は子どもに伝わっています。

両親の心理状態が子どもに映っていきますから、ネガティブな感情ではなく、包みこむようなソフトな口調で諭してあげてください。

―それでは子どもが言うことを聞かなくなるのが心配ですが?

そういう気持ちもわかりますが、子育てをもっと長期的に考えましょう。

子どもには親の注目を集めたいという衝動があるんです。ウソ泣きしたり、わがまま言ったり、困らせたりするのは親の気をひきたいからです。

ですが十分に気にかけてもらえず、愛情不足のまま年齢を重ねると、大人になっても子どもの頃と同じやり方で人を困らせてしまいます。

私たちの塾の塾生は18~19歳ですが、一人で勉強に集中できない子や、落ち着いて机に向かえない子もいます。

そういう場合は、いきなり「勉強しろ」とは言いません。

まず、手作りのご飯を一緒に食べて元気になってもらいます。

元気になって安心感で満たされると「自分から勉強したい」と思うようになるんです。

ですので、ご両親もお子さんを心配するのではなく、まずは愛情をたっぷり注いで安心させてあげてください。

安心すると落ち着いてお母さんの言うことをちゃんと聞けるようになりますから。

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