お茶

茶話 「専用化」して「神社化」する

こんにちは。

今回は 読むだけで心が豊かになる、茶人こがみのりのチョット茶話 をお届けします。

あなただけの神社で 隠れたチカラが引き出される

 モノの隠れたチカラを引き出すために、「専用化」をすることはとても大切です。これはモノにも、人にも、言えること。

専用化するということは、それに「一つの役割を与える、本来の役割を担ってもらう」ということになります。ですから、茶器は、他の人と共用ではなく、あなただけが使う“自分専用”を用意してください。

そして、それぞれの茶器に専用の置き場所を決めて、そこはいつも綺麗に整えておきます。まるで神棚にお供えするかのように、丁寧に茶器を置くようにします。

すると、次第に茶器に触れるだけで、幸せな気持ちが湧いてくるようになります。茶器が神様との通い路になり、あなただけの神社になるのです。

 

雑多(ざった)な気

ちょっと考えてみてください。

職場にしても、部活動にしても、チームには、「マネージャー」という役割と「プレイヤー」という役割があります。マネージャーにしても、プレイヤーにしても、各々に与えられた役割だけに特化しているときは、最高のパフォーマンスができます。

しかし、マネージャー兼プレイヤーのように、役割を掛け持ちしてしまうと、どうしても、パフォーマンスは落ちてしまいます。それと同じように、茶器も、あれやこれやと役割を与えてしまうと、人間と同様にパフォーマンスが落ちてしまうのです。

例えば、烏龍茶も緑茶も、その他のお茶も、全部同じ茶器を使っていると、まず、物理的に匂いが混ざってきます。岩茶の香りと、煎茶の香りは全然違いますし、それらが混ざる時点で、もうすでに雑多になってしまいます。

いろいろなものを混ぜていくことで、それを包括して「一つのもの」と見るのであれば、それはそれでいいのですが、味と匂いは、そういうわけにはいきません。

「一つの茶器で色々なお茶を淹れない」というのは、そういうことです。

煎茶は煎茶、紅茶は紅茶、烏龍茶は烏龍茶、と、分けて使います。他にも、茶器を乗せるお盆や、ちょっとした物も、できたら専用化してみてくださいね。

静謐(せいひつ)の気

全ての「道具」は、それぞれに意味があって作られています。

「道具」とは、ただ一つ、何かの目的を確実に遂行・達成するために生まれているのです。ですから、その目的に関しては、プロフェッショナルなのです。

特に、格調高い「道具」はプライドが高いので、扱いには一層の注意が必要。その格調に応じた扱いをしてあげないと、へそを曲げてしまいます。その「道具」に最もふさわしい専用の役割、置き場所を用意してあげてください。

そして、そこには他のモノを絶対に置かない、それ以外の仕事はさせない、と決めましょう。そのルールを守るうちに、あらゆる道具は役割に目覚めて、“雑多な気”とは逆の“静謐の気”を帯びるようになります。

そうなると、もはや普通のお茶ではなく、人の魂にまで語りかけるお茶になっていくのです。

共に道を歩む、あなただけのパートナー

人と同様に、道具にも天命があるのです。道具を「専用化」するということは、その道具の天命、つまり、「生まれてきた意味」を全うさせてあげることなのです。その道具が輝くように、丁寧に使ってあげましょう。

「専用化」することによって、その道具のプライド、自尊心、いい意味での自負心、自分のパフォーマンスも上がっていきます。そして、道具と自分との良い関係性が生まれ、共に道を歩んでいく者としての、かけがえのないパートナーになってくれるのです。

「道具」とは、「道に具(そな)わる」と書きます。何かの道を果たすために具わっているモノなのです。自分がその道を行くのであれば、その道を行くために具わる「お助けアイテム」ということです。

例えば、この茶器に対しては、「あなたは、わたしの朝茶のお供ですよ」と決めたら、もう、そのように扱ってあげるのです。

「それが、あなたの天命です。わたしのパートナーとなるために、あなたは生まれてきたし、だからわたしは、あなたを選びました。だから、あなたに働いてもらって、お茶を淹れる時間は、わたしは確実に自分の『道』と向き合います。」と、語りかけてあげましょう。

ちなみに、その人が自分の「道(天命)」と向き合っていないとき、道具は割れてしまいます。

「お茶の神様」がいらっしゃると見立てる

「関係性に神は宿る」という言葉がありますが、自分のために「専用化」した茶器との時間の積み重ねは、その茶器に神様を宿らせる、素敵な時間になることと思います。

職人さんが丹精込めて作った「道具」に、「専用の居場所」と「専用の役割」を与えてあげる。

まるでそこに「お茶の神様」がいらっしゃるかのように見立てて、扱ってあげるのです。そうすれば、茶器の神様が目覚める。茶器が、あなただけの神社になるんです。

ちなみに、「役割を与え、専用化する」の果てにあるのが神社です。

日本は「八百万神々(やおよろずのかみがみ)の国」というように、「どんなものにも神様が宿る」ということです。だから、茶器も、茶葉も、お水も、湯のみも、お家も、みんな内側に神様がいらっしゃいます。むつかしくはありません。

“敬(うやまう)”気持ちを持って、モノに敬意をはらう。“畏(かしこみ)”の気持ちを持って、モノに感謝する。日々の生活の中で、どんなに嫌なことがあっても、どんなに忙しくても、その心持ちさえ忘れなければ、お茶の神様があなたを糺(ただ)してくださいますよ。

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